こんにちは。コラムの時間です。
今日はコチラ

「髪の毛約10万本に神経が通っていなくて本当によかった・・。」
こんなことをしみじみ思ったので、筆ではなくキーボードを走らせています。
「???」がついている読者も多いことでしょう。その疑問、こちらのブログで解決できます。
1.髪の毛に神経は通っていない
「なにをいまさら」と同業の方には横槍をいれられそうですが、実は髪の毛って神経が通っていません。
神経(しんけい、英: nerve)は、動物に見られる組織で、情報伝達の役割を担う。
日本語の「神経」は杉田玄白らが解体新書を翻訳する際、神気と経脈とを合わせた造語をあてたことに由来しており、これは現在の漢字圏でもそのまま使われている。(Wikipediaより)
Wikipediaさんは相変わらず小難しい説明をしてきます。
もはやこのwikiからの引用ですら「ブログのそれっぽさ」を出すための演出に過ぎないのかもしれません。(実際そうです)
ですが、これを見ているあなたにもよく考えて頂きたいのですが、もし仮に髪の毛に神経が通っていたらなんともおぞましいことがたくさん起きると思いませんか??
今日はそれらを分かりやすくかつ、具体的にご紹介していきます。
註※先に申し上げますがこれは読んでも毒にも薬にもならない、ただの妄想ブログなので、ムダ毛を抜くほど暇な時にご覧いただくことをオススメしています。
2.美容室は確実に拷問になる

これを読んでいる方に実践して頂きたいのですが、髪の毛を一本だけピックアップしてそれを抜こうとしてみてください。
どうでしょうか。
「そこそこ痛いでしょう??」
これを仮に1本の毛が切られた時の痛みと仮定します。
で、髪の毛って一般的には「ハサミ」や「レザー」という道具を使って切っていくのですが、そのときもし仮に髪の毛に神経が通っていたら…
そのなかでも【知覚神経】が通ってると仮定したらどうでしょうか。
髪を切るたびにこの
【そこそこの痛さ】が体中を駆け巡ります。
どういうことでしょうか。
では、実際のカット技法で考えていきましょう。
カットにはさまざまな技法がありますが、今回は特徴の異なる技法ごとで分けて考えていきます。
それぞれこのようになります。
-
- ブラントカット(まっすぐスパンと切る技法)
→角に小指をぶつけたような痛み(多分)
- ブラントカット(まっすぐスパンと切る技法)
-
- レザーカット(カミソリで滑らせるように切る技法)
→アスファルトでの擦り傷を繰り返すような痛み(多分)
- レザーカット(カミソリで滑らせるように切る技法)
-
- NYドライカット(髪を1本ずつ丁寧に切る技法)
→そこそこの痛みが10万回(約2時間)
- NYドライカット(髪を1本ずつ丁寧に切る技法)
どうでしょうか??
とくにNYドライカットは、どう考えてもキングオブ拷問ですよね。(※これ自体は本当に素晴らしい技術ですよ)
僕が、髪の毛に神経が通って無くて良かったなと思う一つの事例です。
これではカットの度に麻酔が必要になってしまいますからね。
3.他の技術は?カラー・ブリーチ編
こちらも一つ一つ整理していきましょう。
まずはカラーリングからです。
カラーに関してはいくつか種類がありますが、ここでは一般的なアルカリ性のカラー剤として考えましょう。
カラー剤には、髪の毛を広げて膨らませる【膨潤】という働きがあります。
これを皮膚として考えると
【発疹が起きた時のような痒みのような痛み】
これに替えて考えることができると思うのです。
ちなみにブリーチ(金髪になるやつ)だとこの作用はマックスになりますから、それはもう発疹どころの話ではなく、
発疹を超え血がドバドバ出まくる痛みと一緒だと思います。
【血ドバ】するほどの発疹の経験ってありますか?少なくとも僕にはありません。

髪の毛はその都度頑張ってくれています。
ありがとう。髪の毛。
4.考えたくもない、パーマ・縮毛矯正編
そして次にここでもっとも考えたくない技術が来てしまいました・・。
それは、パーマと縮毛矯正です。
・・・
これは正直書こうか迷いました。
何故なら髪はそれだけ耐えているからです。
たまたま髪には神経が通っていないだけで、われわれ人類はこの痛みを分かち合うことができないのです。
しかし、
しかしですよ?
もしそれを分かち合うことができたとしたら、
それは、それはもう
美容室は人類にとっての拷問になると思うんじゃ!!!!
・・・すいません。取り乱してしまいました。文字なのに。
では説明していきます。
まずこの二つに共通することは
「還元作用を働かせる」
ということがあります。読者さまのために分かりやすく言うなら、
この還元作用というのは、体でいうところの【骨折】と同義です。

骨折します。(髪なのに)
さらにこの骨折した状態で、パーマならロッドにグルングルンに巻かれて固定されます。
デジタルパーマなら更にそこから50度くらいの熱を当てていきます。
ざっくり言うとこれがパーマの原理です。
で、これを人の痛みで例えるなら
【骨折した状態で病院に行ったら、整形外科の概念を無視してグルグルに巻かれて固定された上に、熱湯風呂にぶち込まれる】
飽くまで妄想ですが、これほどの痛みを髪の毛さんたちは耐えてくれています。

本当にありがとう髪の毛。謝謝頭髮。
そしてこの「最も強い還元作用を誇る」と言われる縮毛矯正。
これはですねもうレベルで言うなら「複雑骨折」と同義です。
そして大体150〜180度のくらいのアイロンでびかぁ〜〜〜〜っと伸ばされます。
これも人の痛みで例えてみましょうか。
【複雑骨折した上に、ドライヤーで熱せれらて、そこそこの力を加えらたアイロンなどで挟まれ、そのまま引き延ばされる。】
・・・・考えただけで戦慄します。
こんな拷問は中世でもなかなかないでしょう。
これだけでは誤解を産んでしまうので、補足しますが
髪の毛のいいところは、実はこの骨折した状態をすぐ元に戻すことができます。
美容室で「これで最後の薬つけますね〜〜〜」なんて言われた経験は無いでしょうか。
あれです。

いずれにせよ髪の毛さんたちは頑張ってくれています・・。
ありがとう髪の毛。
おわりに
そもそも何故こんなことを記事に起こそうと思ったのか??
それはやはり、いち美容師として、この神経の通らない髪たちに真摯に向き合わなければならないなと常々思っているからです。
髪はときに、声にならないSOSを出します。

「そんなことにこだわりを持つ愛澤です。」
かといって、「何もデザインをしなければ良いのか?」と言えばそうでもありません。
ヘアデザインを通して、その人の人生が変わることもあります。
髪の毛さんたちが頑張っていてくれるぶん、ヘアデザインを楽しむ皆さまがより輝いてくれたら、それは髪の毛にとっても本望だと思うのです。

「デザインとダメージは上手に向き合うことでもっと素敵になりますよ。」
これらを踏まえた上で、私は持てる知識と技術で髪に歩み寄っていきたいし、皆さまにも髪に対してのリスペクトを持つキッカケになってくれたらと思うのです。

「え?顔が近いって?それあなたのスマホが近いんじゃないですか?」
そんなこと思いながら、日々仕事しています。
最後までお読みいただきありがとうございました。

今日はこの辺で。
